使わなくなった楽器の処分方法5つを、費用で比べてみた
東京都渋谷区でギターを粗大ごみに出すと、400円。電子ピアノなら2,300円です。名古屋市では2026年10月の収集分から、電子オルガンの手数料が1,500円から2,500円に上がります。
先に結論を書きます。捨てるのは、無料ではありません。
押入れから出てきた楽器を「とりあえず粗大ごみで」と考えている場合、その判断でお金を払うことになります。しかも品目によっては、二千円を超えます。
5つの方法を、費用と手間で並べる
| 方法 | 費用 | 手間 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 自治体の粗大ごみ | −200〜2,400円(支払う) | 申込・券購入・運び出し | 値がつかないと分かっているとき |
| リサイクルショップ | 0円〜(値がつけば収入) | 自分で運ぶ | 車があり、量が少ないとき |
| フリマアプリ | 手数料と送料を引いた額 | 撮影・出品・梱包・発送 | 時間があり、相場を調べられるとき |
| 楽器店に持ち込み | 値がつけば収入 | 自分で運ぶ | 状態がよく、店が近いとき |
| 出張買取 | 0円〜(値がつけば収入) | 申し込むだけ | 重い・多い・遠い・急ぐとき |
費用の欄で、粗大ごみだけがマイナスから始まります。ここが今回のいちばん大事な点です。
方法1|自治体の粗大ごみに出す
実際の料金を、6自治体で調べました
以下はすべて2026年8月22日に各自治体の公表資料で確認した金額です。
東京都渋谷区
| 品目 | 手数料 |
|---|---|
| ギター | 400円 |
| バイオリン | 400円 |
| キーボード | 400円 |
| シンセサイザー | 900円 |
| 電子ピアノ | 2,300円 |
| アンプ | 400円 |
| スピーカー(最大辺50cm未満・1組) | 400円 |
| スピーカー(最大辺50cm以上・1組) | 900円 |
| ミニステレオコンポ(幅80cm未満) | 400円 |
| ステレオセット(幅80cm以上) | 2,300円 |
| ドラムセット一式 | 1,300円 |
東京都府中市
| 品目 | 手数料 |
|---|---|
| ギター・エレキギター(ケース含む) | 500円 |
| ギターアンプ | 500円 |
| ギターケースのみ | 200円 |
| ギタースタンド | 200円 |
愛知県名古屋市
| 品目 | 現在 | 2026年10月収集分から |
|---|---|---|
| ミニコンポ | 250円 | — |
| ステレオセット(ミニコンポ除く) | 1,000円 | — |
| オルガン | 1,000円 | 1,500円 |
| 電子オルガン | 1,500円 | 2,500円 |
| 電子ピアノ | 1,500円 | 2,000円(脚付き) |
| カラオケ演奏装置 | 1,500円 | — |
| スピーカー | — | 1,000円 |
大阪市は、ステレオセット400円、スピーカー200円、オーディオ機器(単体)200円。手数料は200円と400円の区分です。
料金の決め方は、3タイプに分かれます
自治体の料金表を横に並べると、決め方そのものが違うことに気づきます。
ひとつめは品目別。渋谷区や名古屋市がこの型で、「ギターは400円」と品名で決まります。
ふたつめはサイズ別。京都市は高さ・幅・奥行きの合計で400円から2,400円までの6区分に分かれ、手数料券は400円券の1種類だけを必要枚数買う方式です。横浜市も最長辺の長さで粗大ごみかどうかを判定し、200円から2,200円の幅があります。
みっつめは、その混合型です。品目別の表を基本にしつつ、サイズで区分が変わる自治体があります。
つまり「ギターの処分費用は◯円」と一律には言えません。同じギターでも、住んでいる場所で数百円変わります。まず自分の自治体の品目一覧を見てください。
ピアノだけは、事情がまったく違います
名古屋市の粗大ごみには、排出禁止品目という区分があります。そこにピアノが入っています。ガレキ、鉄塊、自動車用タイヤ、消火器などと並んで、「収集または処理が著しく困難な物」として扱われるためです。
つまりピアノは、粗大ごみに出すという選択肢そのものが存在しません。
そして厄介なことに、多くの楽器買取サービスもピアノを対象外にしています。行き先が両側から閉じている形です。ピアノをお持ちの場合は、ピアノ専門の運送・買取業者を探してください。ここで時間を使わせないために、先に書いておきます。
方法2|リサイクルショップに持ち込む
近所の総合リサイクルショップに持ち込む方法です。すぐ現金になるのが利点。
弱点は査定です。総合店は幅広い商品を扱うため、楽器の相場に詳しいとは限りません。メーカーやモデルによる価値の差が値段に反映されず、「まとめていくら」になる場面があります。
そして持ち込みなので、車が要ります。ベースアンプやスピーカーを一人で運んだことがある方なら、この一行の重さは伝わるはずです。
方法3|フリマアプリで売る
いちばん高く売れる可能性があるのが、この方法です。中間業者が入らないためです。
ただし、やることが多い。写真を撮り、説明文を書き、値段を調べ、質問に答え、売れたら梱包して発送する。
楽器の場合、この梱包と発送が重い負担になります。ギターは専用の箱が必要で、送料も数千円かかります。スピーカーやアンプはさらに厳しい。輸送中に破損すれば、そのやりとりも自分で背負います。
時間はあるが、お金はかけたくない。その条件が揃ったときだけの選択肢です。
方法4|楽器店に持ち込む
楽器専門の中古店なら、モデルの価値を分かった上で査定してくれます。方法2の弱点がここで解消されます。
問題は距離と量です。楽器の中古を扱う店は、地方では限られます。片道1時間かけて運んだ結果が数千円、ということもあり得ます。
方法5|出張買取を呼ぶ
査定員が自宅まで来て、その場で査定する方法です。
利点は、運ばなくていいこと。これに尽きます。アンプもスピーカーもドラムも、玄関から先は査定員が運びます。
そして多くの場合、出張費も査定料も無料です。金額に納得できなければ断ってよい。断った場合も費用は発生しません。
弱点もあります。日程を合わせる必要があること。そして、対応していない地域や、買取対象外の品目があることです。当サイトで紹介しているサービスも、鍵盤楽器と和楽器は対象外、沖縄県・宮崎県・北海道(札幌市を除く)などは対応地域から外れています。
どれを選ぶかは、3つの条件で決まります
運べるか。 運べないなら、選択肢は出張買取だけです。ギター1本なら持ち込みも現実的ですが、アンプやスピーカーが混ざった時点で話が変わります。
量はどれくらいか。 1点なら手間をかけて高く売る価値があります。5点10点となると、1点ずつ出品する労力が現実的ではなくなります。
値がつく可能性があるか。 ここが判断の分かれ目です。そして多くの人が、この一点を確かめずに粗大ごみを選んでいます。
無料の査定を1回受ければ、この答えは出ます。値がつかなければ粗大ごみに出せばいいだけで、査定を受けたことによる損は発生しません。逆に粗大ごみ券を買ってしまえば、その数百円は戻りません。
順番の問題です。先に確かめてから、捨てる。
次にやること
自分の自治体の粗大ごみ品目一覧を開いて、手放したい楽器の手数料を1つだけ調べてみてください。
その金額が、あなたが「捨てるために払う額」です。それを見てから、売るか捨てるかを決めても遅くありません。
参照元(すべて2026年8月22日確認)
手数料は改定されます。申し込みの前に、必ず最新の情報をご確認ください。