壊れた楽器・古い楽器でも、買取してもらえるのか
「こんな状態じゃ、値段なんてつくわけがない」
片付けの現場でよく出る言葉です。そして、この判断こそが、いちばん損をしやすい判断でもあります。
理由は単純で、買取業者が見ているものと、持ち主が見ているものが違うからです。
持ち主は「使えるか」を見る。業者は「売れるか」を見る
持ち主が状態を判断するときの基準は、たいてい「自分がこれを使うか」です。弦が切れていれば弾けない。音が出なければ使えない。だから価値がない、と結論します。
買取業者の基準は違います。その品物を、次に誰かへ渡せるかです。
渡し方は一つではありません。
修理して中古品として売る道。部品を取って、別の個体の修理に回す道。国内で需要がなくても、海外で売る道。中古の楽器とオーディオには、こうした受け皿が複数あります。
だから「動かない=ゼロ」にはなりません。
値がつきやすい傾向
メーカーとモデルが特定できる
これが最大の条件です。同じように傷んだ2本のギターでも、型番が読み取れる方に値がつきます。何であるかが分からないものは、次に渡す相手を探せないからです。
部品としての需要がある
ピックアップ、ペグ、ブリッジ、真空管、スピーカーユニット。楽器やオーディオは部品単位で流通しています。本体が動かなくても、載っている部品が生きていることがあります。
製造年が古い
ここが他のジャンルと逆になる点です。家電なら古さは減点ですが、楽器とオーディオには年代物が評価される市場があります。古いから捨てる、という発想は、この分野では必ずしも正しくありません。
付属品が揃っている
純正ケース、取扱説明書、保証書、元箱。本体と一緒に残っていれば、それも合わせて見てもらえます。
値がつきにくい傾向
何であるか分からない
ノーブランドで刻印もラベルもないもの。これは業者側も判断材料を持てません。
コピー品
有名ブランドの模造品は、買取対象外になります。これはどの業者でも同じ扱いです。
修復不能な損傷
木部が大きく割れている、水没している、カビが内部まで進行しているといった状態です。
ただし、この判断は写真や記憶では下せません。実物を見てはじめて分かります。
やってはいけないのは、自分で直すこと
状態を良くしてから出そう、と考える方がいます。気持ちは分かりますが、逆効果になる場面があります。
分解、自己流の修理、強い薬品での清掃、サビ取りや研磨。これらは元の状態を損ない、かえって評価を下げることがあります。特に年代物では、オリジナルのまま残っていることが価値の一部です。
軽く埃を払う程度にとどめて、あとはそのまま見てもらう。これが安全です。詳しくは買取に出す前に、やること・やってはいけないことにまとめました。
結局、確かめる以外に方法がありません
ここまで傾向を並べてきましたが、正直に書きます。
値がつくかどうかは、実物を見ないと誰にも分かりません。 この記事も、あなたの手元にあるその1本については何も答えられていません。
そして幸いなことに、確かめる側のコストはゼロです。出張査定は出張費も査定料も無料が一般的で、金額に納得できなければ断って構いません。断ったことで費用が発生することもありません。
一方、粗大ごみは先にお金がかかります。手数料券を買ってしまえば、その数百円は戻りません。
ひとつだけ、先に確認しておくこと
当サイトで紹介しているサービスには、状態に関係なく対象外になる品目があります。
ピアノ・電子ピアノ・キーボード・エレクトーン・オルガンなどの鍵盤楽器、琴・三味線・尺八・太鼓などの和楽器。オーディオでは、ミニコンポ・ラジカセ・イヤホン・ヘッドホン・カーオーディオ・Bluetoothスピーカー・スマートスピーカー・マイク。
対応していない地域もあります。沖縄県、宮崎県、北海道(札幌市を除く)、青森県と秋田県は冬季。
該当する場合は、別の専門業者を探してください。
捨てる前に、一度だけ
その楽器を「価値がない」と判断したのは、誰でしょうか。
弾けなくなった持ち主でしょうか。それとも、次に渡す相手を探せる人でしょうか。
答えが後者でないなら、捨てるのはまだ早いかもしれません。